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「旧約聖書:声の宇宙」

kyuyakuたまたま見つけた「東京の夏・音楽祭」という長期に渡るイベント。
かなりしっかりしたバックアップがある祭典で今年で21年目だそうだ。
初夏から7月の末にかけていろいろなジャンルの演目が毎年のテーマにそって集められ、公演されている。
今年のテーマは『宇宙・音楽・心』。
その中の「旧約聖書・声の宇宙」という演目に目が止まる。
「シラート・バカショート(嘆願歌)」という中東系ユダヤ人伝統的歌唱法。
ヘブライ語での聖書の響き、聞いてみたくて行ってみました。

構成もすごくシンプルで、解説も紹介も若干程度。
観客層も年齢が高く、若い年代でも地味な学生風の人が目立つ。
民族学などを研究している人もいるかもしれない。

3部構成で最初がそのシラート・バカーショ。
ヘブライ語で旧約聖書を唄う、元祖アカペラともいうべき形式。
キリストが生まれる前から使われている言語でヘブライ語の中でももっとも古い様式を守っているとのこと。
2番目はイエメン系の女性人気歌手による歌。
一時砂漠の民となっていたユダヤ系の人々。
イエメンでは男性の歌はヘブライ語、女性の歌はアラビア語を使うとのこと(CDの解説による)。 
3番目は現在のイスラエルでもっとも多く見られる様式の詩で寺院において実際に人々が奏でている形式。冬の寒い朝3時、4時から始まり永遠夜が明ける7時頃までお茶を挟んだりしながら唄い、演奏し続けるという。

音楽のアカデミックな側面にはまったく無縁の私。
以前なら頭で(知識的な部分も含め)理解しようと要らぬ努力もしていたが、それはかなりな無駄だった。 その経験から今は音を自分の全体をなるべく開いて聴くということだけにしている。 
結果的に受け取るコトはあくまで主観に過ぎないが、より大きな部分と共振する時には主観以上のものがおきてくる。 ということはおきないこともあるのだが、その機会、機会がその時の自分自身の体験であることは間違いない。

さて、今回のこの経験。
イスラエルに行って実際に聴く機会が簡単に持てない私にとっては貴重。
彼らの詩(唄)は地から天への語りかけ。
常に自分たちが信じる神と共に生きていくということがどのようなことなのかをちらりと垣間見る事ができた。
彼らの信仰はゆるぎなく、そして幾世代にも続いて神との契約が果たされるのを待ち続けている。 それが彼らが民族として強固に存在し続けている由縁か。
そして彼らには誇りがある。
そのような力強さは日本人にはないだろう。
彼らから見たら日本人の宗教心などは風の前の塵のようなものでは、などと想う。何をどう信じようとそれは自由な現代だが、日本人は無宗教といえるほどにやわい。 多くが人生最後の儀式的な部分があるので、なんとなく仏教徒、といってもそれもたいそう曖昧なのだ。 
それらは神を信じるというよりも先祖祭りの意図が強い。
このヘブライの神は人とは別の超越した存在だ。
八百万の神が宿るこの島の人々は一神教とはまったく違う感覚で生きている。
そして信じるという心でさえ、緩慢であっても許されている。
この日本という島国はそういう意味ではありがたい国でもあり、また○ホな国でもある...
などと、公演の内容とは別のことを考えながらひとり帰路についた真夏の夜であった。

【「東京の夏」音楽祭】アリオン音楽財団HPより
この音楽祭、今年の演目にはイエーツ原作の「鷹姫」の能の上演があったり、もちろんクラッシックあり、ドゴン族の踊りがあったり、UAの童謡コンサートなどもあり多様。日本人は仏教系の由来から講話とマントラも人気演目だったもよう。

【イープラスの紹介文より】旧約聖書のことばであるヘブライ語で祈り歌い続けてきたサマリア人・ユダヤ人の合唱は、他に類を見ない古代の伝統を継承し、西洋諸国の音楽家や研究者にも衝撃を与えた。
声明の世界にも似た彼らの交互唱は日本人必聴。後半は、エルサレムのシリア系ユダヤ人の「アデス・シナゴーグ」で行われる「シラート・ハバカショート(嘆願歌)」を。
選ばれた独唱者たちが中東の音楽の基盤である旋法「マカーム」の芸術を華麗に披露する。

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