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室堂探索 (立山夏3)

立山2日目、周辺を探索すべくトレッキングロードを歩く予定でスタート。

wAlps05D2_008 まずは地獄谷へ降りてみる予定で入り口近くに位置するみくりが温泉に立ち寄る(珈琲ショップ、食堂、売店、温泉あり)。

外にすえられたデッキで休憩、山々をバックに記念撮影などをした後、目の前に広がる長い階段で下に降りることを相方さんに伝え、気分がすぐれないようなら急勾配が続くので無理に同行しないように確認して伝える。 

と、近くに座っていたおじ様たちが空を見上げて指差している。

空に飛んでいるものが一羽。

雷鳥だ! 

望遠鏡で確認したその姿はまさしく。

3、4枚に分かれた長い尾を立てにしてバランスを取り、まるで一箇所にとどまるかのように羽ばたいている。 

色から見てもどうやら雌らしい。 

ワァオ! 

視界から雷鳥が消えて興奮が納まると、私たちは再び現実に戻り行動開始。

wAlps05D2_015 亜硫酸ガスの濃度が濃く噴出しているので夜間立ち入り禁止となっている「地獄谷」。長い階段を降りる。 帰りも同じ階段を登るの?と考えるのはやめにした。

谷の底に着くと硫黄の匂いよりもさらに強いガスの強烈な匂いに思わずむせて、気持ち悪くなった。 なるべくガスを吸い込まないように先に進む。 看板に偽りなし。 なるべくこのガスは吸わないほうが体の為。 相方さんはすでに気持ち悪そうな顔になっていたし、私もさすがに口に手を当てて早足でガスの流失口を通り過ぎる。

地図を見るとルートは先に続いていて、降りた階段に戻ることなく回り込んでもう一度谷を登る道があるようだ。 しかもちょっと先には温泉付の宿も1件(ロッジ立山連峰)。 一泊したに違いない人々は地獄谷を横切って、私たちが来た室堂の駅の方へとすれ違いながら歩いていく。 自分の出したゴミをきちんとリュックの下の袋にぶら下げて持ち帰っているのが印象的だった。 山ではこうした小さなことがすごく大切なのだ。

山では、、、な~んて知った風に書いているが、私たちは現代生活に不自由ない宿に泊まる身。 しかも登頂はせず。 それでもちょっとずつ現地の空気を吸いながら次回への布石(または密かなたくらみ、ともいう) を考える私なのだ。wAlps05D2_019  しかしこの日再度売店のあるところまで戻るまで、飲み水500ml1本だけ携帯の散策は私には気持ち的に厳しいものがあったのよ>相方さん。 自分用の水くらい持ちましょう...です。 優しい奥さんはお水分けてあげたけれど。 まったくもって前日に引き続き、都会感覚が抜けない連れです...(ため息)。 

雷鳥と名の付く場所や宿はあながち嘘ではないようす。 雷鳥荘や雷鳥沢(ここはキャンプ場あり)など、名前を頂いた場所が沢山あり、近くにこの貴重な天然記念物の姿が見られるのでしょう。 *右写真は雷鳥沢キャンプ場:別山や剣岳への入り口/別山の頂上はこの日薄っすら雲の中。

周辺のハイキングロードはしっかりと整備されており、場所によっては治水工事も行なわれていた。 本当の山道になるのは登山に向かう道に入っていってから。 

観光客が集中的に多い室堂駅付近をぐるりと巡る各ルートは生態系をこれ以上人々が入り込んで壊さないように、逆に手入れがとても行き届いている。 一度人が入り込んだ場所はそのままではもう二度と未踏の自然界には戻らない。 今度は再度自然を守り、維持していくのに必ず人の関わりが必要になってくる。 地元では道の周辺で土砂だけになった所に再度種を戻して育てることを行なって保護保全も務めている。

wAlps05D2_066_ching 高山植物のチングルマが丁度満開の室堂付近。 *写真はタテヤマチングルマ:写真では判別しにくいが花弁がほんのりピンク色なのが特長。

草に見えるチングルマが実は「樹」であることを初めて知る。そして、積雪ですべてが埋もれる長い冬を越すために成長がきわめてゆっくりな樹木なのだそうだ。 その茎の直径の成長はマッチ棒の太さになるまでに20年かかかるという。 *左:顕微鏡写真では茎のスライスに年輪がみられる。chinguruma

ひと踏み10年(~20年)の環境破壊が起きるということを再三耳にし、こびりついている。 そしてガイドや宿でも徹底して訪れる人たちに間違っても踏み入らないようにお願いをしているわけだが、そのせいか周囲の空気には隙を見て植物を採ってやろう、というようはふらちな意識は微塵もなかった。  

なのに、なのに、である。 

トレッキングロードの脇の柵の外側を男が一人登ってきているのが見えた。 急勾配の道なき谷間を高山植物の中を抜けて上がって来ていた。 最初は地元の管理局などの職員か?と思ったが、まったくもってただの登山人だった。 真っ黒に日焼けしたその男はそうした意を解する風でもなく平気で歩いていく。 まるで自分は山の達人だ、というような雰囲気だ。 再度別の休息所で座っているその男の姿を発見した時には、まじまじと真っ黒な顔を眺めてしまった。 やっぱりただの登山客に間違いない。 残念なことだと思う。 そのがっしりした体で踏みにじられた植物達。 どう見てもその男はそんな振る舞いをしてもいいほどすべてを超越しているとは思えない。 その数分前に出会って会話を交わした70歳を過ぎてもまだ若々しい別の登山の達人は、尾根を越え、登山道を辿り、そしてトレッキングロードに出て歩いていた。 そういう選択もできるはずなのに、である。 旅の中でも非常に残念な光景だった。 

「ひと踏み10年!」

訪れる皆様はどうかお忘れなく。

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