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世界遺産の鎮魂の地

Dome_shiden_2 いつかは足を運びたいと想っていた場所。

けれども行く間近になって、

小さな不安がわいてきた。

いったい何を恐れているのだ、わたしは...

街の中を自在に走る市電に乗り、「原爆ドーム前」で降りた。

Dome_01_2

未明まで降り続いていた豪雨は雨足を止めていた。
新緑も深い樹木の間に、その建物はあった。
早朝の掃除で丁寧に掃き清められた石畳は
雨水でずっしりと濡れている。


静寂。

深い静寂だけがその場を包んでいた。

恐れるものもなく、悲しみもなく、

ただただ朽ちたコンクリートと鉄の塊だけが目の前にあった。

そしてすべてが静かだった。


いくつかの理由で訪れたこの地だが、その理由のすべてを私自身がわかっていたわけではなかった。
やがてドームを目の前にして解き放たれていく私の中の知らぬ想い。
静けさと共にゆっくりと建物の周りを歩いた。

Dome_02guide

目の前には大きな川が流れていた。
元安川。
広島は水に恵まれた地だ。
大きな川が何本も流れている。

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旅の朝は早い。
世界遺産となったこの地を訪れる人々の姿が増えてきた。
訪れたのはシーズンオフの梅雨の季節。 
ひと足先に夏休みに入った海外からの観光客が数多く目についた。

遠くから鐘の音が響いてきた。
行ってみるとそれは「平和の鐘」という名だった。

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私もこの響きをかりて、この地に耳を澄ませてみた。
この美しい公園の中に重くもなく、軽くもない音が広がっていった。

鐘楼をぐるりと池が取り囲んでおり、ちょうどピンクの蓮の花が美しく咲いていた。

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長雨で水をたっぷりと含んだ緑が美しい公園の朝。

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世界中からの同じ祈りが千羽鶴となって寄せられている「原爆の子の像」。

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元安橋のたもとに、原爆から逃れた建物がまたひとつ。
今はインフォメーションセンターとなっている。
原爆投下時、地下室にいた人がひとり奇跡的に助かったという。

この橋の上の混雑は団体さんかと思いきや、この秋放送予定のドラマをロケ中。
白い軍服を着た池内博之がドームを前にたたずんでいて、そこだけ時間が逆行していた。

もう行かなくては...
予定の時間は過ぎつつあった。

急ぎ足で訪れた原爆ドーム。
公園を一歩出ればそこにはにぎやかな街が広がっていて、今日の人々の生活がまたあるのでした。

今年も暑い夏がやってきます。

「原爆ドーム」は1996年世界文化遺産に指定されました。

Dome_012

(広島原爆ドーム:訪問日2006/6)

【info】
■社団法人日本ユネスコ協会連盟:世界遺産活動
http://www.unesco.jp/contents/isan/

■広島平和記念資料間WEB SITE
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/

■広島在住・ダイヤモンドさんのHP("Jewelry Bar ":ティールーム)よりヒロシマ 

【2007/8/1追記】
この旅は私の中で今なお続いています。
HPに同じ旅を「旅の記憶:耳を澄ませば...」として載せました。
→よろしければこちらからどうぞ

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コメント

茹だるような暑さにまみれ、
周囲の喧騒をかき消すように蝉の声が響き渡る。

ことしもヒロシマにあの日がやってくる。

あの朝も今日のような蒸し暑い日だった。
戦渦ではありながらも市民はそれなりに平穏な
生活を送っていたと聞く。

八月六日午前八時十五分、
上空に飛来したB29から1発の新型爆弾が投下され
平和な下界は地獄絵図と化した。

あれから60余年、地上からは未だに戦火が絶えない。
どれだけ多くの命を奪えば人類は悟るのだろうか。
彼らはまだ学んでいない、武力から平和は生まれないことを。


ようこそ広島へ。
一人でも多くの人々に戦争の悲惨さ、平和の尊さを
実感していただきたいのが願いです。

投稿: ダイヤモンド | 2006-08-04 10:46

そこには事実だけがありました。
その事実はあまりにも複雑であまりにも大きく、そして見ようとするものを躊躇させました。
けれどもその躊躇する気持ちは自分の内にありました。
この場所はもの言わず静かなままに、訪れる人たちを迎え入れ続けている。

日本人が世界遺産の中で必ず訪れるべき場所ではないでしょうか。 
忘れることで癒そうとしても決して消えない事実に世代を超えて日本人が向き合わなくてはいけない時代になっていることを、もっともっと多くの人に知って欲しいと思います。

幾つかの原爆投下の候補地には、私の生まれ故郷も入っていました。そうして気象条件さえ合っていれば、私の故郷がこの広島になっていたということです。
けれども郷里にいたときは、そんな話を聞くこともなく。広島はただ遠い地でした。
そして今はすべての日本人のDNAに絶対にこの記憶が刻まれていると思っています。
それを眠らせてはならない、と想うのでした。

投稿: ♪~ | 2006-08-04 15:44

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