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貴重な原生林に赤ペンキ:鈍感になった日本人

いつか旅の記録に掘り起こしておきたいと思っている広島県・宮島の風景。
言葉には表しがたい心の深いところでどこか懐かしい気持ちが湧き上がる場所です。
そこにこんな事件がおきるとはまったく遺憾です。
先日のイタリアの世界遺産への落書きしかり。 
ルールを文書できっちり明記して、法で縛らないとコンセンサスの自己判断ができないのは、日本人の感性が低下しているということでしょう。
落書きは昔々からある人間の行動、、、とまで言い切っているTVのコメントを聞くと、そうやって許容していいのか、と情けなくなります。
最近よく見聞きする場所としては鳥取砂丘の砂浜への落書きがありますが、さすがに生きている樹木への赤ペンキは簡単に消すことはできません。

リンク: 東京新聞:マナー違反 宮島の原始林でも 木や岩に赤い塗料:社会(TOKYO Web)-2008年7月13日.

宮島の弥山の登山道にある切り株に赤い塗料で描かれた矢印  広島県廿日市市の宮島の弥山(みせん)(五三五メートル)の原始林で、登山道沿いの樹木や岩に赤いペンキのような塗料が数十カ所にわたり吹き付けられているのが、十二日までに見つかった。 
一部は世界遺産に登録され、一帯は瀬戸内海国立公園の特別地域に指定されている。環境省が近く現地調査する。 
環境省中国四国地方環境事務所広島事務所によると、見つかったのは「四宮(しのみや)ルート」と呼ばれる登山ルート。登山口から山頂付近の約二キロの区間で、ばれる登山ルート。登山口から山頂付近の約二キロの区間で、矢印や丸印などが断続的に赤色で付けられていた。

登山者が道しるべとしてスプレーで吹き付けたとみており、「無許可での伐採や標識設置と異なり、直ちに違法とは言えないが、事前に相談があってしかるべきだ」と困惑している。
宮島観光協会によると、このルートはもともと地元住民が使っていたが、険しい登りが続き一般登山者は少ないという。
弥山は宮島の主峰で、原始林は国の天然記念物に指定。一九九六年に厳島神社とともに一部が世界遺産に登録された。古くから信仰の対象とされ、現在はロープウエーで山頂付近まで登れるほか、ふもとから数本の登山道が整備されている。
登山口近くで茶屋を営む女性(59)は「親切心でやったのかもしれないが、ペンキは消えない。しかも赤でしょう。せめてリボンで目印してほしかった」と話していた。

他の媒体のニュースによると、以前テープで目印が張られていたことはあったそうです。
今は個人のコンセンサスまかせにはできない時代になってきてますね。
この目印、登山するものにとっては安全性の為、また他を通らないで道がつけば他の区域への侵入や破壊も少ない、などの言い訳もできそうです。
それはあくまでも山登りをする人側からの視点。
全体を考えるという作業が抜けています。
そしてこのルート、観光の人間はめったに立ち入らない区域だそうです。
こうした感覚は現代のあらゆるところに転がっていて、歯止めがきかない感じです。
どうしていけないのか、という視点がもともと身についていないからしかたない。
昔はそんなことなかった、、、とか懐古する日本人にも非があります。
過去には、いけないからいけない、というだけで、本質的な理由を意識で把握してない昔の人々が頭で作った感覚と規則の空気が全体の行動を縛っていたからです。
生命の本質に繋がっていないで身についていないことは簡単に破れます。
またはもっと単純には自分だけは登山者だから、という身勝手な言い訳と特別意識が勝手に成立する場合もあるかもしれない。
以前立山の室堂で、まったく道のない山の中から、花を踏み散らして歩いて出てきた登山者と遭遇したことがありました。あれだけ保護の空気の規律が感じられる場所でさえ、そうした輩はいるのです。 しかも堂々と、観光客とは違うんだぞ俺は、という気をまとっていました。 登山という深く山に分け入るアドベンチャーな感覚を維持したいのはわかるけど、もう少し申し訳なさそうな顔でもしたらどうなんだ、と内心思って相手の顔を凝視してしまいました。
今年春先に出かけた低山で遭遇した身近なケースはこんな感じ...
綺麗なエイザンスミレが沢山咲いていてました。 と、帰り道、数人前を歩いていた同じツアー客のひとりがあっさり一株根っこごと引き抜いてお持ち帰り。 あっという間。 瞬間、沢山あるからひとつもらっていこう、という呟きが耳に届いたのと同時でした。
その人はツアーの中でも一等植物に詳しい人のようで仲間数人で参加していました。植物好きなら、当然してはいけないのでは? いえいえ、逆のケースも多いことでしょう。
目の前の当たり前のように起こされた事実に、残念ながら私は静止の声もかけることができませんでした。 見知らぬツアー客との間で嫌な気分を互いに味わいたくなかった、というのも理由のひとつでした。
そうして結局は自分の気分の為に、私は自然の中に育まれた小さなイノチをひとつ犠牲にしたのです。 恥ずかしい。
その羞恥心はハートに刻まれています。
そいういう想いでもなければ、人間は育っていかないのかもしれません。
人間が百匹目のサルに到達するまで、果たしてこの自然は、地球は、待っていてくれるのでしょうか...

この宮島の場合、とりあえずは国立公園専用の保護ガイドを組織化して作り、常駐させることが必要かもしれません。
登山って神聖な行為だと思っていたけれど、単なる征服欲を満たす行為に成り下がってしまっていますね。
宮島は神の島なのに...

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何処へ...

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コメント

外国での落書き事件が話題になっていたにも拘らず、同じ世界遺産の中でまたしても。

山に行く人が自然を大切にする人ばかりではないことを見せつけられると改めて情けない思いで一杯です。

今からでも遅くはありません、もう一度日本人としての(人としての)道徳観・価値観を教育し直す必要があります。

さもなくば、この国は・・・

投稿: ダイヤモンド | 2008-07-15 13:48

. . . この国はshock

人の意識構造というのは計り知れないものがありますね。
すでに数世代に渡り、教育する側も受ける側も正統な教育を受けていないのですから(現在の親もしかり。例:モンスターペアレント)、すでに遅し感が...weep
それでも想うことは、
きっと未来に必要な事や人の思想や行動は残っていくのではないか、ということです。
ぺシィミスト、というよりも達観しているghでござりますgood
美しき関係性の中には光が宿る、、、そんな気がしています。
サファイアとダイヤモンドさんもその名の通り極上の宝石かと♪~

投稿: gh | 2008-07-15 21:18

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