WOWOWで「天保十二年のシェークスピア」
蜷川演劇は大人気でチケット取りに敗戦した私。
「エリザ...」にはまってからは、すっかりその敗戦への当日券アタックなど、どこかに吹き飛んでしまっておりました。
そうしたら、なんと、年末にWOWOWで「天保十二年のシェークスピア」が放映されるという。
\(^o^)/バンザイ♪
放送時間の詳細発表を待ってUPしようと思っていたが、10/12現在まだ12月の番組表は未発表。観たい方は後日WOWOWのHPを要チェックです。
生の場の雰囲気というのとはまた別にTVで客観的に見れるというのはありがたい。
私自身は映画や写真という媒体がかなり好き。
すべての瞬間がそこにギュッと凝縮されているからだ。
そうして時を経て自分が変化してもスクリーンに映る作品は一定の質を保っている。
当日の出来と観客の雰囲気に左右されてしまうのとはまた別の見方がいつもできる。
例えば、20歳の時に見た感動の映画も今見直せばまったく違う感想がでる。
そうして自分自身の感覚が時を経て変わった、というのもはっきりわかる。
だから逆に時を経て見ても新たな発見と感動がある作品、好ましい部分が基本的に沢山見られる作品というのは名作と呼ぶ事ができるのではないか。(ニュートラルな状態で見てという意味。カルト的な嗜好で鑑賞の場合を除く。)
そして作る側もその時のベストを調整しながら写し取ることになる。
だが生の舞台はそうはいかない。
その時々でどんな雰囲気でどんな状態に当たるかというのはドキドキ、ワクワクではあっても一律ではない。
ある種の消えモノでもある。
またある意味においては劇場へ通うほうがオタク度が強いか。
同じ空間を実際に共有した記憶が仲間意識を作り、そして舞台の出来よりも雰囲気での満足度が優先される場合もあるからだ。
人間というのはとにかくまぁ、そういう生きものではあるのだけれど、時折お金を返して欲しい、と思うような舞台の出来に遭遇すると、まったくもって嫌気が差す時もある、というのは私の本音でもある。
舞台は蓋を開けてみないとわからない、ということもあるのだけれど観客にとってもギャンブル的興奮はあるでしょう。
だからTV放送されるとまったく違った印象とアングルで映し出されるのだけれど、逆に冷静に作品を見つめることが出来るメリットもある。
見たくても見に行けなかったという場合も含め、嬉しいシステムだ。
ところで観劇歴的には新参者である私が書くのもおこがましいのだが、今の人気劇団の作風というのは「ジーザス・クライスト・スーパースター:ジャポネスク版」と基本的には変わらないのではと思うこともしばしば。またはやはり歌舞伎という世界観に色濃く反映されている日本人の皮膚感覚から生まれた世界に負う部分がかなり大きいだろう。(結局、日本人の体で表現されたものは無条件に日本的にならざろうえない、ということもある。)
そういう意味では蜷川という名前に敬意を払いながら感覚を吸収、チャレンジした「NINAGAWA十二夜」に出演した菊五郎を筆頭にした役者を抱える歌舞伎の世界は、かなり古くて新しい世界なのだろうとあらためて思う。
「天保...」もシェークスピアや前出の歌舞伎スタイルの十二夜などのパロディの部分も大きいらしい、というか素がそのものなのだが。
いただく、という技術が上手いのも日本人の特色で、高度成長期の日本人も一時は猿真似上手の日本人と先進国に揶揄されていた時代もあった。
さぁ、そこを越えて蜷川作品がどこまでオリジナルなテイストを提供してくれるのか、というのが期待の部分。
それともあらかじめパロディであることを強調して蜷川ブランドとして時代を逃げ切るのか。
この作品、とにかく見た人たちは一様に非常に濃い芝居だった、という。 観客は自分の感情の濃さを喚起させられるからこそ、蜷川演出の空間は人気でもあるのだろうと、未見の私は予想するのみ。 TVのブラウン管を通して別の空間で見たら何が見えるのか。
そのあたりにも注目してみたい。
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コメント
♪~さん、TBありがとうございます!こちらにもお邪魔させていただきます。
うちはWOWWOW入っていないんですよね~・・・DVDは出ないのかなあ?
「天保~」は2回観劇予定ですが、1回目見た限りだと役者がえらい豪華なのを実感しました。
確かに濃いです。出てる人たちの演技も濃いので。濃縮されているかんじです。4時間が短く感じるほどに。
蜷川さんの舞台、私も好きで結構観に行くのですが現実離れる異空間みたいな所に連れていかれるかんじなんですよね。
好き嫌いは分かれると思いますが・・・。
投稿: すもも | 2005-10-13 21:06
コメントありがとうございます。
すももさんのところの見所もじっくりと読ませていただいてます♪
豪華すぎてチケ取りが大変なのはなんとかしてくれぇ~と思います(;o;)
こんなとき放送はありがたい。
あとは見逃さないようにしなくては...
投稿: gh | 2005-10-14 09:24