旧作はDVDか劇場で...
先日TVの深夜放送枠で映画「グランド・ホテル」が放映されていた。
お正月に某TV局協賛のミュージカル公演が行なわれる為の宣伝を兼ねた番組構成だった。 何気にTVに張り付いていて、またまた見てしまったのだ。
しかし字幕付きとはいえ、CMで細切れになる放映は以前DVDで見た時の印象とはまったく異なる作品となった。 単なる古い映画になってしまっていた感がぬぐえない。
ああ、残念。
途中で入る各種CMのカラーと大音響が静かな白黒の世界に介入してきた結果なのだろう。 緊張が高まってきたストーリー展開とそれに伴って湧き上がってくる見ている側の叙情性がブチブチと遮られる。
かつてはあまり気にかけた事が無かったが、今回改めて旧作&名作はじっくりノーカットで!と思った次第。
時折入るCMの数とタイミングを考慮された映画放映をする時間枠もあるが、ほとんどはどこも細切れである。 これからはじっくり見たい映画ファンには有料放送のチャンネルへの選択幅が広がってくるだろうし、DVDのレンタルもネットで予約注文などができるシステムがはじまっていることを考えると、TVという媒体は宣伝用チャンネルになっていく可能性も大きいのか。 少なくとも良質の映画を見るときはノーカットで見れる機会を作ることが不可欠でしょう。
最近めったに映画館に足を運ばなくなってしまったが、やはり旧作、名作はリバイバルがあったら是非映画館の大スクリーンでどうぞ。 そうした作品に対する単なる古い映画という認識がまったく変わるでしょう。 今や70mmもシネマスコープもなくなってしまって、かつての大作もちょっと縮んだ感はあるかもしれないけれど、それでも学生時代に通った名画座で見た数々の旧作&名作は今でも宝物。 フィルムが劣化してざらざらと画面に入るノイズも思えば味のひとつとなっていた。 ビデオの普及から始まってDVD,有料チャンネルと何でもお茶の間に持ち込める時代になったからこそ、わざわざ足を運ぶ、という行為が大切な時間になるのだな、と改めて認識したのだった。
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*以前書いた映画「グランド・ホテル」の感想はこちら
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