三谷幸喜
3/10の「スタジオパークからこんにちわ」に脚本家の三谷幸喜が生出演。
ラジオで何気に聴いていたら「決闘!高田馬場」の舞台映像紹介の声を聴きTVを入れる。
年始に「古畑任三郎ファイナル」を見てから、一度彼のことに触れたいと思いつつもそのまま棚上げにしていたところ、まさにぼたもちぽとり。 ご本人のインタビューをじっくり見る機会を得た。
すっかり売れっ子になった三谷氏は1961年生まれのTVっ子世代。
気負わず憧れをもってアメリカ映画の洗礼を受けた年代でもある。
彼は料理上手。
いただいて腕を揮い、観客にぱくりと食べさせることから成長してきた。
この刑事さんも日本でこんな風に成長して、今や本家よりも有名に違いない。
特に彼が多感な成長期の60年代~80年代はアメリカ映画やTVの輸入作品が全盛期。
人気作家ニール・サイモンの舞台は続々映画化。日常の何気なく見えるシーンがドラマとなり、最後にはハートがじんわり暖かくなるヒューマンな作風が沢山あった時代を経験している。
三谷氏の作品を見るといつも思い出すのは、「おかしな二人(’68年・米)」 (TV版も米国では人気シリーズだった)のジャック・レモンやウォルター・マッソー、同じくJ・レモンとトニー・カーチス出演の「お熱いのがお好き(’59年・米)」などがある。 この人は日本のニール・サイモンを目指していた、とどこかで読んだ事があるが、ビリー・ワイルダーなども大、大、大好きに違いない。
N.サイモンには「カリフォルニア・スイート('78・米) 」のようにホテルを舞台にグランドホテル形式で作られた映画もあるので現在大ヒットの「The有頂天ホテル」の根底にはその流れもあるかもしれない。
1991年に舞台から映画化された「12人の優しい日本人」を当時VTRレンタルで見た時にはまったくよくわからない作品だった。 ぼんやりとして狙いがどこにあるかも全然わからず、これが評判の作品というのも謎であった。
これから ↓これが出来る...て ^^; ねぇ。
人気者、三谷作品を映像で見る機会は多いが、面白いと感じた作品は私個人としてはかなり少ない。
その理由は至極簡単...
日本人にシチュエーション・コメディは似合わなかったからだ。
そして、彼の映像作品には角いイメージがある。 アメリカでは粋な笑いになるものが、かっちり作られた日本の世界のドタバタではその間合いにくたびれる事が多かった。
ところが、先にWOWOWで生放送された「12人の優しい日本人」を見て今回は面白いと感じた。
私が人間という生きものの曲がり具合に馴染んでしまったということがある。
が、しかし、それよりももっと変化が大きかったのは、日本という国が完全にアメリカ文化に感化され、融合してきたからだろう。 笑いへ感性や人間への扱いなど、見る目も表現の実際も違ってきたのだ。 また世間の評価により観る側も動かされてしまう、というのもある(これが面白い作品なのだ、という刷り込みがないとはいえない)。
その上、時代背景的にはマンガが原作の当然ながらありえない設定とオーバーな演技を主体としたTVや映画作品が増えたということもある。
三谷氏のスタート時はテイストの変わった作品として観客を集めたのだろう。 そして今や時流にのって人気と動員数の頂点に上った。
三谷氏の作品は常に明るい喜劇。
アメリカという国の持つ明るさは本来日本にはない。
明るい外国文化に憧れ続けてきた少年が大人になって世に送り出して成功したのが一連の作品なのだろう。 そう考えれば彼が歌舞伎を作れば、逆説的に考えてかなり面白いものが出来るかもしれない。
これから見る予定の「決闘!高田馬場」が楽しみ。
最初のイメージは走る阪妻だったという。
料理上手の彼はレパートリーが広いが、元の素材は自己調達ではない。
インタビュー番組では現在凝っているイラストについて語っていた。
(自分の奥さんをモデルに描いた絵も公開)
その作風、映画好きなら馴染み深いイラストレーター和田誠氏のラインをそのままいただき。
共同で描いたイラストもあるという。
司会者の「そっくりですね~」の言葉に「完全なコピーです」とすんなり(笑)。
真似の技術もここまで腕が上がると一人歩きができるといういい見本のような人でした。
かくいう私も学生(子供)時代に和田氏の作風を真似て描いていたことがある。
卒業時のクラスの寄せ書きにも描いた記憶が... そしてすぐに描くのをやめた(うけなかったから・爆)。
さらに...
大河「功名が辻」の足利義明の演技は尊敬する「国取り物語」の義明=伊丹十三で、VTRを参考に一生懸命真似たらしい。 互いにつぶらな目が共通点だそう。
書くだけでなく出るのも好きなところはまさにTVっ子そのもの。
最後の直筆サインも笑えました。
その画像はこちらから:「スタジオパークからこんにちわ」バックナンバー3月10日(金)
余談...
ところで、三谷氏はご自身の作品を徹底的に管理しているようですが、彼の原点を振り返れば...な~んていつも思ってしまうわけです。
その辺はどうなの? それはまた別の話?
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この書籍の表紙も三谷氏が描いたイラストが混じっているとのころ。
ほんと、そっくり。
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コメント
三谷さん・・・そうかもね。アメリカン?!
12人の~作品は興味あります。
朝日新聞の連載、たぶん和田さんイラストの三谷さんの文は愛読してます。
以前フジ深夜のHRの生ドラマは好きでしたが
反響は今ひとつだったのかしら~
投稿: らぶりー | 2006-03-11 19:47
今日本人は知らないうちに中身アメリカンだろうと思います。
HRも彼の作品でしたか。
そうそう、私もちょっと見てました。
たぶん放送時間がね。
あ~、確か獅堂くんも出てましたよね。
あれって本当にアメリカのコメディのスタイルです。
投稿: ♪~ | 2006-03-12 23:28