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2006-05-22

幸四郎@スマステwith香取慎吾

20日土曜日の夜の「SmaSTATION-5」。
今回のスペシャルゲストは松本幸四郎。 
この人は歌舞伎オタクや歌舞伎関連の人々からは気色の違いからあまり好まれていないらしい。
枠の中だけに納まりきれないスケールとビジョンと経験を持っている人だから当然だ。
戦後の香りが濃く残る日本の世代。
奥さんとふたりで渡米して「ラ・マンチャの男」でブロードウェイに挑んだ時の話は有名だ。

今でこそファンが団体旅行を組んで日本人の海外公演の席を埋めることは容易だが、幸四郎の渡米した時代、渡英した時代にはまったく時代背景が違ったのだ。
海外に出ている日本人は限られ、また誰もが母国を強く意識しており、国を出たら日本人の代表となる立場であることを忘れていなかった時代。
歌舞伎以外の舞台で幸四郎を見ると、すでに劇場に足を踏み入れる前から彼の見果てぬ夢の波動が伝わってきて、いつもそこに先に感応して心が動かされる。
 
TVの内容からはちょっとはずれるが、幸四郎は普通の家庭で育った人を奥さんにもらって普通の家庭を経験できたことにすごく感動したという。 歌舞伎の世界は広いようでいて狭く、人付合いの範囲も限られ、親戚縁者皆関係者という特殊な世界。 
そんなわけで幸四郎ファンが幻滅して心ので中ブーイングするくらいに、舞台の上でも父親の一人相撲になりがちな愛情を家族にそそぎ、また奥さんに感謝していることを公にして隠さない。
そのあたりはすごく西洋的で、さすがに呆れることもあるけれど、バカ正直な人だとも思う。

スマステの中で幸四郎を知る人たちのインタビューがちらりと流れたが、歌舞伎界の後輩や近親者はまぁ、建前が半分以上でしょうか。 
上条恒彦と蜷川幸雄からのインタビューは非常に正直な言葉が聞けて、なかなかに興味深かった。  
来週も後半があるので子供たちから父親へのアレコレも聞けるようだ。
染五郎は「自分で話をはじめて森に迷い込む人。 話は手短に...」というようなことをリクエストしていた。 
思わず笑ってしまったワ。
何故森に迷い込むのかがすごくよくわかるからだ。
残念だが染五郎には一生理解できないだろうと思う。

そしてスゴイですね、を連発する若い世代に本当に残るものはなんだろう...

幸四郎が戦後の稀有な時代の流れを実体験として持つ最後の世代になるのではないだろうか。 
そんな風に思うとなんともいいしれぬ寂しさを感じてしまうのだ。

【info】
スマステ幸四郎スペシャルの後半は27日(土)23:00~、テレビ朝日系列にて。
先週の前半トークの過去ログはこちら

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