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2007-07-02

『レ・ミゼラブル』 2007年版 6/29 

2007年の『レ・ミゼラブル』が6月より新キャストを迎えて新たな装いと共に東京で3ヶ月間の公演中。 本年は日本初演以来20年目の記念の年にあたるそうだ。

07629lemi_01_3同作品は前回の2003年版からの観劇。 2000回SP、千秋楽まであれこれ覗いたこの作品、昨シーズンで打ち止めにしようかと思っていた。 
しかし、今回もまた○宝さんの商戦にのせられました...新バルジャンに橋本さとしが入いり他の新キャストもいることで、1回くらいは財布を開けようかという気に。

演出、曲のアレンジなどに大きな変更もあったが、前回の版に比べて数段いい印象を得た。

なによりも、芝居の骨組みがしっかりしている。
作品がたんなるミュージカルとしての音響のノリで過ぎてしまうのではなく、しっかりとしたお芝居を観ている感じがする。
これはまだ始まったばかりで演出に忠実に演じている新メンバーの真摯な姿勢か、はたまた、他の作品も演出している為に来日中のJ.ケアードの指導が行き届いているからなのか、両方かもしれないが、全体の足並み揃っての取り組みがいい感じだ。
昨年まで観てきた作品とはいい意味でまったく別物。
冒頭加えられたバルジャンのシーンは彼の荒んだ生活と心が司教との出会いによってやっと変わっていく、というのがよくわかり、より原作の重厚さも感じられる。
アップテンポで時に軽やかさも加えた新アレンジはそのスピードに現代的な時間の感覚を持ちながら、内容の細かい進行(盛りだくさんの各エピソード)に新鮮さと客観性を与えた。 これは作品に単に感情移入して感傷的に観るだけではなく、大河ドラマのように長く分厚い原作のエッセンスを絵巻物のように見せて、観客がひとつの時の流れの目撃者として受け止めることを容易にしてくれていた。

07629lemi_00_1*今回観た配役は今期初めて登場の面子がほとんどだったのも、こうした感想に一役買っていることは付け加えておきます。

橋本バル:オーソドックスな歌い方で台詞が曲に乗っていく感じがよい。 素直に取り組んでいるバルジャンの芝居も上手く丁寧で好感が持てる。 まだまだ初演で動きは堅めだがこれからも見ていきたいバルジャンのひとり。  
禅ジャベ:前シーズンまでのジャベールにはいないタイプの重く沈んだ暗さのあるジャベ。 しかし内面があまり見えてこない。 自身が参考にしたという村井版の色濃く、コピーの粋から出ていない感強し。 自殺のシーンでの髪の乱れを作る演出はなかった。 ”スターズ”もそつなく、しかし心にはあまり引っかからないので観ている側は最後もあ、そう、バイバイという心情。 もしかして、テナルディエくらい特殊なキャラクターの方が意外性が出て面白い人なのかも。
原田アンジョルラス:役の設定年齢よりもさらに若い彼は、そのフレッシュさが体から溢れていて役への違和感なし。 美しさとストイックさを備え、そして押さえどころの歌が安定している。 動きの美しさは東山アンジョにはかなわないが、やはりお芝居と歌がある一定水準に到達している安心感がある。 若いから逆に変に芝居ずれ(?)していないのがいい感じ。
山崎マリウス:今回の観劇は上記3人の組み合わせにて選択。 まったく気にせず観ていた新マリウスだったが...いい! いいですよ。 すんなりマリウスにはまってました。 見た目の柔らかさも声と芝居も合格点。 原田アンジョとの組み合わせでフレッシュ学生コンビが◎。
菊地コゼット:歌が...上手い!!! 私の中では物語においてもかなり存在薄いキャラクターになっているコゼットだが、コゼットの聞かせどころ(見せ所)高音が特にきれい。結構現代風のわがままお嬢な雰囲気がするコゼット。
ちびコゼット:この子も歌が上手かったし堂々と物怖じしないで演じている姿が印象的。
ガブロッシュ:え~~っ。 この年齢で、この役で、こんなに色気があっていいの、というガブロッシュでした。 
田中テナ夫人:前シーズンに1回拝見。 前回よりも大分役が自分のものになってきている感じ。 カーテンコールで後方でひとりスカートを広げくるくる回ってのアピールが可愛らしい。 原作の悪い旦那(夫)にそれでもついていってますというちょっと控えめ感のある存在。
徳井テナ:演出、共演者が変わればキャラも変わる...というわけで、今回はおふざけもなく、小さい体を前面に押し出す個人的芝居もなく、とってもオーソドックスで怖いテナの雰囲気で決まり。 今まではお笑いとマニア的おふざけが多すぎたのでこういうまっすぐな作りのテナは好み。メークもだいぶ変わっていたか??? とにかく非道な男のイメージが強調されていた。
今井ファンテ:舞台って難しいなと改めて思う。 歌も不可なく、演技も、というところだがいかんせん全体の線が細すぎて悲惨な末路も小顔いっぱいに大きな目を見開く末期の表情も、過剰にしか見えず内側からの叙情的な空気が感じられず。 私の中でのファンテーヌは岩崎宏美、シルビア・グラブ、で今のところ打ち止め。
坂本エポニーヌ:歌も演技も悪くない人なのに新妻、笹本、の影に隠れてしまっている。 もう少し体の使い方を工夫するといいかも。 

今期の新キャストは芝居も歌もはじめからからなりよく出来ているので観ている方も演じられている物語に集中できる。
演じ続けて数ヵ月後には役柄も練られていくのでどのように変化しているかはわからないが、スタート時点としてはかなりよい滑り出し。 

今回はパンフが2冊。 厳密には20周年記念パンフと通常版。
記念版は写真とメッセージがコラージュ風に今回出演の役者さんのアレンジにて掲載(ベガーズ風)。今までの20年間の公演写真も多数。 通常パンフがあるなら記念版は過去の舞台写真に集中して欲しかったかも(2000回記念パンフで十分な気がする)。
通常版は今回プリンシパルキャラクターの背景や物語の歴史的解説等が充実。また*振り付け師や演出家のインタビューがなかなか読み応えあり。 (*正式にはムーブメント・ディレクターと呼びダンスの振り付けとはまた内容が別の仕事)
そして...
日本だけがエコールを行っていて、その理由は20年前はすごく下手だったから、という驚きの事実がケアード氏のインタビューに。 その分出演者達も今以上に練習し、試行錯誤しながら取り組んだろうなぁ、などと思いながら目を通した。
その日本が今やこの作品をこれほど大切にしてくれているとは...ほんと日本人っていい人たちだ(爆)...(^_^;)

ここを書いていたら、なんだか突然山祐のバルジャンを見たくなってしまったのだが、次回は未定です。 今ジャベも見たいけど...(美しい警棒さばきみたいなぁ)。

【追記】記事は公式ブログをほとんど見ない状態で観劇、感想UPしました。
先ほどブログに目を通したところ、やはり今回はかなり細かい指示が演出側からあったようですね。 また、歌のレベルもかなり高い様子。 そして平均年齢が低い、とのこと。
なるほどなるほど。 

 

07629lemi_02_107629lemi_phot01 07629lemi_03 

写真は:いろいろ展示してあって祭りムード満載の劇場ロビー♪
おなじみの衣装から司祭館まで。 
写真撮影オッケーというのがありがたいです>東宝さん。
最近はロビーでの撮影禁止の劇場も多く、上演時間もメモらなくてはならいない場所があって、変に神経質にすべてを制限するのもよしあしかと。 

2007/6/29 @帝劇 マチネ 

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当日の出演者は写真をご参考ください。

 

 

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コメント

こんにちは~
♪さんのレポすごくイメージしやすいですよね。
フレッシュコンビを選択するあたりが、さすがです。
やはり、どんな感じなのか気になります。
山崎マリは、個人的にかなり気になります。
菊池コゼも、たしかに現代風の娘。動画で拝見したけど予想以上に歌えるんでしたね。この二人のコンビフレッシュなイメージです。
坂本エポは一度しかみたことないのですが、この方も予想以上に歌えるし演技も悪くはないんですよね。私としては、すんなり受け入れられました。新妻エポとか笹本エポと並べられるとというところでしょうか。この二人は、めきめき存在感大きくなりましたよね

投稿: らぶりー | 2007-07-04 10:19

 フレッシュなキャスト、私も見てきましたよ~♪
 原田クンの美声には、ベガーズの時から注目してはいましたが、アンジョとなるとまた、一段と生かされているように思います。
 新キャストの皆様、確かに歌も演技も安定していて良かったです。
 禅さんのジャベールは未見ですが・・・どこかのインタビューでも、村井ジャベの癖がいつのまにか身についてしまってて…というような事を言っていたので、ちょっと苦労されてるのかな?
 8月に見に行くので、楽しみにしたいです。
 禅テナ・・・!そ、それもなかなか、面白いかもしれません!
(一見ものすごく人がよさそうで、実は極悪人なテナ^^;)
  

投稿: あきこ | 2007-07-04 10:41

■らぶりーさん>
(^^)/らぶりーさんの季節がやってきましたね♪
もしかしたら初演の雰囲気に似ているのでは?と当時見ていなかったにもかかわらず私は思っています。(20年目のてこ入れっていうやつ?)
ぜひ、ぜひ帝劇にいらして!
山崎マリも若いです!!! 前シーズンまで若手だった藤岡君さえもがなんだか年長に見えてくるくらいですよ。 
動画は最初の部分しか見ていなくて、全然何も知らずに行ったのですが印象は演出通りの読みでした。
さぁて、今回予定には入れていない東山アンジョ君の初日インタビューを見たら、最初の月は大人しく型どおり、次の月でいろいろやって、最後の月で仕上げようか...みたいなこと言っていました。
ちょっとその真ん中の月の部分不安^^;
去年までのレミで懲りている部分があるので、あんまり暴走しないで欲しいな、というのが希望です。

■あきこさん>
もってこい原田、ついに革命家に!(笑)。
硬い、、、という感想も目にするのですが私はかなりいい感触をえました♪ ミュージカル俳優という職業ジャンルが普通になった新世代という感じですよね。歌も芝居も水準高いですもん。
禅ジャベは、ご自身が村井ジャベを強く意識して役作りをした、ということをどこかで公表していたと思います。 そこに禅さんカラーがもっと練りこまれてきて、村井ジャベの影を消すくらいにならないとなぁ~、誰見てんのかわからない、というのが正直な感想です。
あ、私村井ジャベ観ていないのですが、村井さんならこういう感じ、というのが想像できてしまっていて、禅さんを見ているとまだまだ村井ジャベの皮を被ったまんま、という印象です。
そのあたりもっと独自の解釈で練り上げてくれるといいですね。
8月の回、期待大では?!(^◇^)
そして、テナ。 見てみたいですよね、禅テナ♪
アンケートに書いてリクエストしたりして? 

 

投稿: ♪~ | 2007-07-04 21:45

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» 『レ・ミゼラブル』 帝国劇場 [あっかんべぇ]
 帝国劇場で『レ・ミゼラブル』を観てきました。12時開演のマチネ。ジャンバルジャンは別所哲也。ジャベールは今拓哉。  今日は、とても良い席でした。H列の30番31番。前から8列目のほぼ中央です。舞台セットも、ちょうど良く見える位置だったのではないかなと思います。  去年の日生劇場で観た『レ・ミゼラブル』は、セットよりも舞台の方が大きいような感じで、1幕の貧民街も2幕のバリケードもどこかこじんまりとした感じだったのですが、今日のバリケードはとても大きく感じられました。  去年観た『レ・ミゼラブル』も、... [続きを読む]

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