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2008-05-19

『ルドルフ・the last kiss』

日曜日の午後、珍しく銀座、日比谷界隈に出没した♪~です。

銀座の画廊で蜻蛉玉展に出品している長年のネット友の作品を見てきました。
細かい作業の作品がたくさん並んでおりました♪
31日までの開催です。 近くまでいったら覗いて見てくださいね。
詳細はこちら→ 『幽・遊・由の蜻蛉玉展』。

そして、もちろん、これだけで休日に出没したわけではなく、、、

このブログのタイトルどおり、その前に久々の井上くん...
もとい、『ルドルフ』観劇でした。

Rudolf_p
新作が続いているミュージカル界。
結論から先に書きますと、、、

残念ながら「うたかたの恋」の世界から一歩も出ることがなかった。
製作側がどう解説したとしても、これは世紀の悲恋、情死の世界から逃れていないでしょう。

洗練された美術と装置、音楽、、、なのに何かしっくりこない。
開演から10分くらい、この印象についてばかり考えていた。
なんてアメリカンなんだろう、、、
演出家のテイストなの? たぶん?
まるでブロードウェイのアメリカンスタイルで語るヨーロッパ。
めちゃくちゃ男性的、、、
まぁ、『MA』のような題材の弄繰り回しよりはましかなぁ、、、

この作品にはヨーロッパが抱えている憂鬱な空気がなくて、どこかカラリと乾燥した明るさがあるみたい。
それがハプスブルグ家の終焉を告げる歴史のカオス的な空気に合ってないのだわ。

なんてね ^^;
考えるともなく、考えていた。
しかも途中で頭の中に『レベッカ』からの「わたし」の歌う曲が流れてきたりして^^;
全然舞台に捕まりませんでした。
舞台も出演者もすごく遠い...これは二階席で観ていたから、という実際の距離感のせいではないでしょう。

いつもはもっと生き生きした存在感が漂う壤晴彦は、このフランツ役の舞台ではまるで演出のひと駒にしか見えない。 某巨大劇団に居続けなかった理由がわかる気もする。 フランツという人物に専念しているのだろうと思うが、演出されたフランツに彼の独特の存在感までもが埋没してしまっているように思えて残念。

狂言回しとして登場する人形師はおいしい役回り。
浦井くん、いい役もらいました。 この作品で誰が印象に残ったか、というとこの人形師の彼でしょうか。
体も目いっぱい使ってミステリアスに動き回り、表情も豊か。 ただし、空間の捕らえ方がもう少し。
決まりきったキャスティングかもしれないけれど、この役は吉野ケーゴくん向き。
影のような役でも華が出せるというか、そんな存在感がちょっと足りない浦井くんの人形師。
これからのさらなる成長が楽しみです。
他にさりげない存在感が際立つのは香寿たつきのラリッシュでしょうか。
このラリッシュという女性、かなりしたたかなはずなのですが、今回のこの作品においては見守る側として好感が持てるような感じでした。
他には御者で御付のブライト・フイッシュの愛情のある眼差しと存在感が記憶に残る。 これは演じる三谷六九のキャラクターが生きるはまり役かな♪


しかし本当に今月は隣の劇場に役者さんをごっそり持っていかれた、と言ってもいいくらい。
いえ、いい意味では今までとは別のキャスティングで東宝と宮本亜門という新しい組み合わせの新作なのですが...吸引力がねぇ。
東宝の大舞台では広すぎる感がありました。

と、、、
ここまではパンフを読まないでの素のままの感想でした。

______________

Rudolf3パンフで作曲、脚本などを調べて納得。
なるほどアメリカンなわけですね。
私はあまり細かいところをチェックしないで観ることが多いので、得る印象が先で詳細は後付けが多いのです。

さて、辛口感想が続きます。
『ルドルフ』よかった、大好きという方は読まないでね。

ウイルヘルムもエドワードもなんてつまらない!
(これは演じる役者さんではなく、演出や設定の部分への不満ですのでファンの方あしからず。)
特にエドワードに関してはルドルフよりも17歳年上でしょう? ここで美しい女好きだけを強調するような設定は意味ないなぁ。
映画『うたかたの恋』(←過去記事に感想あり)で見たエドワードはかなりなおっさんで、でも人生で抱える苦悩を受け入れてうまく立ち回る次期王位継承者、という感じでしたたかさも感じさせて成熟していた。(映画ではエドワードはルドルフからの助力の要請を断るシーンが確かあった。)
このあたりのバランスが、エンタメ興行と本当に心にうったえかける作品の質との悩みの種ではあるのだろうと察することができるが...観客が察しながら観るのは演劇の本当の姿ではないでしょうし。

ダリ!!!! と思わず叫びたくなったメークの岡さんは、いつもながらの舞台上での岡さんでした♪(爆)。
そして主演二人について、ここまで何も書いていませんね^^;
彼らはきれいな王子さまと彼の純真な恋人、でした。
曲にはまったく親しみが沸かず、記憶にないのは難点。
ルドルフの進歩的思想といわれるものはこの舞台ではなぞるだけに過ぎず、最後の最後で出てくる額縁の中の緑の森の美しさ、この物語では純粋さを強調された恋人たちの末路を経て、観客はようやく舞台への共感を得る、という印象をぬぐいきれない作品とあいなりました。

ロビーに出た私の目に留まったのはこの秋上演される『エリザベート』のポスター。
おお、新しいルドルフも発表されたのですね。

Eriza08

2008/05/18@帝国劇場・マチネ

★今回パンフレットに載らなかった写真の別冊パンフ販売があります(数量限定)。
詳細は東宝HPの公式ブログへ。
もちろん劇場に行かない人でも注文できます。

今までの作品のパンフの初版に入れてない追加舞台写真のページもページ単位で別途売ってください>東宝さん。
ほんと(-_-;)

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思わず買ってしまった、井上君のニューアルバム。
声もすっかり大人になりましたね。
帝劇で購入でポストカード1枚の特典。
されど10曲3500円は高いなぁ。

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コメント

そーなんですよ。
 大体、ドイツ皇帝なら「ヴ」ィルヘルムでしょう、とただでさえ思うのに、それが「ウィリ〜♪」なんて呼ばれた日には・・・_| ̄|○トホホ;
 オタクのつぶやきに過ぎないかもしれませんが、作品の雰囲気って、こういう所にも表れますよね。
 私も、1階後方と2階端っこという遠方からの観劇だったせいか、今ひとつ主人公達の気持ちについて行けなかった1人です。主人公カップルのデュエットで思わず船漕いじゃっ…
 2度目の観劇では、浦井ファイファーを追いかけて喜んでおりました♪
 曲も2度目はちょっと覚えて、「明日への階段」とかぐるぐるしてますが。
 でもやっぱり、ウィーンものはリーヴァイさんの方に軍配、かな^^
 

投稿: あきこ | 2008-05-19 22:45

オーストリーとルドルフをこよなく愛するあきこさん>
お察し申し上げますthink
明るすぎますね、この作品。
ひとつの時代が終わりを告げていく輝きや退廃、そして憂鬱な空気がなさ過ぎます。
井上君も令奈ちゃんももともと陽の感じがあるので、ますますもって悲劇から離れていく感じもあり。
作品も『エリザ』で観られる様な風刺と自虐的に自国の歴史を扱うようなセンスもなく...

席が遠いからといって、観客がのれないのは距離のせいではないですよ。
遠くても目が離せない作品はあるし、見所になったら身を乗り出しても観てしまうような、そういう吸引力のポイント、なかったように思います。
以前観た舞台のひとつに、手前の席のお客様の反応だけで演じているような作品もありましたが、それこそ本来の舞台の姿ではないはずだし。
それだったらもっと小さいキャパの舞台でもいいんじゃないかと思ったことがあります。
今回はセットがすごく良かっただけに逆になんだか人々が小さく見えすぎてしまいました。 全体的に宮殿が大きく寒々している風なのはわかるのだけれど。 
ところで、あの舞台転換、だいたいは人力なんですよね。黒子さん見て観察してしまいました^^;
曲はあまりにも複雑に洗練されていて、逆に耳に残りにくく、、、
今ちょっと脳内再生を少ししかかっているのはファイファーの口ずさむ「ウイーンのテーマ」くらいかな。

今回熱狂的スタンディングしていた観客がS席の両サイドに集中していたというのもちょっと面白い光景でした。

投稿: gh | 2008-05-20 01:44

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